アメリカの大学、特にハーバード大学をはじめとするアイビーリーグなどのトップ校を目指す場合、課外活動は英語力や成績以上に合否を左右する重要な要素になります。しかし、闇雲に課外活動を行っても、合格に近づかないばかりか、アドミッションオフィサー(入学審査官)から受験のためだけに活動したという悪印象を持たれ、不合格になってしまいます。この記事では、課外活動の選び方についてのコツを紹介するので、アメリカのトップ校だけでなく、日本のAO入試を受ける方たちにも参考にしてもらえると嬉しいです。この記事は、筆者の実際の経験と海外のアドミッションオフィサーのアドバイスに基づいています。

Uniquenessを意識して課外活動を選ぶ
もし、10個や20個の課外活動を行っても、それらが全て独創性のないありきたりな課外活動なら、審査官の目を引くことができると思うのでしょうか?アメリカのトップ校は、合格率が数%しかなく、大勢の出願者の中で目立つ課外活動をする必要があります。そのためには、自分にしかできない活動をすることが大事です。
🔍 独自性を出すためのアイデア:
- 興味のある複数の分野を組み合わせる:例えば、作曲と言語教育の両方に興味がある人は、英語学習に役立つ歌を作曲してYouTubeに投稿すれば、非常にオリジナリティのある課外活動になります。
- 自分の「好き」を突き詰める:「音楽が好き → ピアノが好き → ピアノ作曲が好き」といったように、自分の興味を深堀りしていくと、他の人と被らない活動が見えてきます。
※全ての活動が独創的である必要はなく、1つや2つでもあれば個性を示すのに十分であるため、意識しすぎずに好きな活動に取り組んでいただきたいです。
社会にImpactを与えられる課外活動を選ぶ
ある課外活動を通して自分が成長できたことを伝えることは大事ですが、それと同時にその活動が周りや社会にどのような貢献をしたかを説明することもとても大切です。特に、具体的な数字でその貢献度を示すことが求められます。娯楽や息抜きのためにしている趣味なども、視点を少し変えることで、社会に影響を与える価値ある課外活動へと昇華させることができます。以下の表が悪い例と良い例です。
悪い例 | 良い例 |
独学でピアノを習い、幻想即興曲などの難曲を弾けるようになり、やり抜く力を育んだ。 | 独学でピアノを習い、幻想即興曲などの難曲を弾けるようになり、やり抜く力を育んだ。そして、独学でピアノを勉強するコツをネットにシェアして、合計で10万回再生された。さらに、同じ独学でピアノを弾く人たちのために演奏会を開き、合計で20人が参加した。 |
Passion Projectをやる
Passion Project(パッションプロジェクト)とは、社会や地域の問題を見つけ出し、それを自分ならではの方法で解決しようとする活動のことです。この活動を通じて、先ほど説明した “Uniqueness(独自性)” と “Impact(影響力)” の2つのポイントを同時に満たすことができるため、一石二鳥の課外活動と言えます。今回は、筆者が行ったPassion Projectを紹介します。
社会の問題点 | 自分が見つけ出した解決策 |
ピアノを勉強するための練習曲は音楽性が乏しいものが多く、そのせいで多くの人がピアノが上達する前に辞めてしまう。 | 趣味がピアノ曲を作ることだったので、ピアノ学習者がより楽しく練習できる練習曲を作曲した。 |
このように、自分の得意なことを活かして社会に貢献するプロジェクトは、非常に強力なアピール材料になります。
最後に
アメリカのトップ大学や日本のAO入試で評価される課外活動とは、単に数をこなすことではありません。大切なのは、本当に興味のあることに取り組むことです。そして、すべての活動に平等に時間をかけるのではなく、特に力を入れる活動を1つから3つ選ぶことが重要です。そうすることよって深い成果や影響力を生み出す課外活動を行うことができます。
また、すべての活動がユニークである必要はありません。ありきたりな活動であっても、自分なりの工夫や視点を加えることで、十分にアピールポイントになります。
これらを意識して課外活動に取り組めば、合格に一歩近づくだけでなく、将来にもつながる貴重な経験になるでしょう。
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