アメリカの大学を受験する際、「いくつ出願すればいいの?」と迷う人は多いですよね。実際、大学出願の主流であるCommon Applicationでは最大20校まで、カリフォルニア州の公立大学(UC)への出願フォームを使えば一度に10校に出願できます。さらに、個別の大学に出願すれば、理論上は100校以上に出すことも可能です。
しかし、それだけ多く出願するには、多額の費用と膨大な時間がかかってしまいます。そこで重要なのが、「自分にとって最適な出願校数」を見極めることです。
この記事では、出願者の状況に応じて何校受験すべきかを、わかりやすく解説します!

他国の大学を滑り止めにする場合
アメリカの大学だけでなく、日本や他の国の大学を滑り止めとして受験していて、すでに合格をもらっている、もしくは合格する自信がある場合は、本当に行きたい大学だけに出願すれば問題ありません。
ただし、トップ校を受験する人にとっては注意が必要です。合格率が非常に低く、成績だけでなく大学との相性やエッセイの印象など、予測できない要素によって合否が決まることも多いため、受験校数を多めにするのも一つの戦略です。
一般的には、10校前後に出願する人が多いですが、本当に行きたい大学が少ない場合は5校程度でも問題ありませんし、逆に多くの大学に魅力を感じている場合は20校出願する人もいます。
ただし、出願数が多くなるほど、一つ一つの大学への準備が雑になりがちです。そのため、多く出願する場合は、できるだけ早めに準備を始めるようにしましょう。
また、アメリカの大学受験に集中しすぎて、日本の大学の対策が疎かになってしまうと、最終的にどちらも上手くいかないというリスクもあります。どちらの受験も大切にしながら、バランスよく計画を立てていくことが重要です。
アメリカのトップ校だけ受ける、もしくは奨学金が必要な場合
アメリカのトップ校の受験は、想像以上に熾烈です。留学生の場合、100人受けても10人に満たず、学校によっては1人や2人しか合格しないこともあります。そして、その100人は皆、それぞれの国でトップレベルの実力を持つ学生たちです。
さらに、給付型の奨学金が必要な場合、合格は一段と難しくなります。なぜなら、大学に対して「毎年1000万円以上の支援に値する人材」であることを証明しなければならないからです。そのため、学校が公表している合格率より、実際の合格可能性は大きく下がる傾向にあります。
このような状況では、できるだけ多くの大学に出願するのが安全策です。実際、20校すべて不合格だったという話は珍しくなく、reddit(海外の掲示板)では100校出して全滅したという例すらあります。奨学金が必要な留学生にとって絶対に合格できる学校は一つもない、ということを分かってほしいです。
もちろん、他国の大学も併願したほうが安心ですが、「どうしてもアメリカに行きたい」という強い意志がある場合は、一つひとつの出願が雑にならないよう、早めに準備を始め、数多く出願することをおすすめします。
合格率の高い大学を受け、且つ奨学金がいらない場合
この場合は、二つ目の出願者よりも余裕があります。合格率が高い大学を受け、かつ奨学金が必要ない場合、留学生でも比較的スムーズに入学できます。
また、奨学金が不要な場合でも、成績やエッセイ、課外活動が優れていれば、大学側から奨学金を提案されることもあります。
とはいえ、アメリカの大学受験では何が起こるか分かりません。安全校は一つだけでなく、複数校受けておく方が安心です。
最後に
受験のアドバイスを受けると、「たくさんの大学を受けると質が下がるからやめた方がいい」と言う人がいます。しかし、それが必ずしも正しいとは限りません。
まず、早めに準備を始めれば、それだけ出願に使える時間が増えます。たとえば、エッセイの執筆を周囲よりも2倍早く始めれば、単純計算で2倍の大学に出願する余裕が生まれます。
実際はもっと出願できることもあります。アメリカの大学では、追加で出願する場合に必要なのは、その大学特有のエッセイ(supplemental essay)だけであることが多いからです。課外活動や推薦状などは、他の大学と同じ内容で構いません。
さらに、supplemental essayが不要な大学も多く、そうした大学には数分で出願できます。出願料が無料の大学もたくさんあります。迷ったときは、とりあえず出願しておいた方が、後悔のない選択になると思います。
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