アメリカの大学には、他の国の大学にはない多くの魅力があります。たとえば、ダブルメジャー(二重専攻)が可能だったり、専攻を自由に変更できたり、本場のアメリカ英語に触れながら学べるといった点が挙げられます。
しかし、だからといってアメリカの大学「だけ」を受験するのは非常にリスクが高いと言えます。
この記事では、その理由を詳しく解説するとともに、アメリカ以外でおすすめの国々についても紹介していきます。

アメリカの大学受験は合格基準がはっきりしていない
これは特に合格率が一桁台のトップ大学に当てはまる傾向がありますが、「これをすれば合格できる」という明確な基準が存在せず、どれだけ優秀でも必ず合格できるという保証はありません。なぜなら、合格者の多くは、学校の成績がほぼオール5、SATスコアも上位1~2%という極めて優秀な志願者ばかりで、数字だけでは差をつけることが難しいからです。
そのため、課外活動や受賞歴、エッセイ、推薦状など、点数化が難しい人間性の要素に重きが置かれます。これにより、どれほど高い学力を持っていても、合格できるとは限りません。
実際に、アイビーリーグ8校すべてに不合格となった男子学生が、その後ビジネスを立ち上げて大成功を収め、アメリカ国内で大きな話題となった例もあります。
合格率が高く見える大学でも、留学生が奨学金に申請すると、合格率が大幅に下がることが多いので注意が必要です。
トランプ政権の政策によって、今後アメリカの大学を受験できなくなる可能性がある
2025年1月20日、トランプ大統領が就任して以降、留学生にとって不利な政策が次々と打ち出されました。
アフガニスタン、ミャンマー、コンゴ共和国などの一部の国に対しては学生ビザの発給が禁止され、これらの国の国民はアメリカに留学できなくなりました。また、大学への財政支援の削減により、主に博士課程に進学予定だった多くの留学生が合格を取り消されるという事態も発生しました。
さらに、日本人を含むハーバード大学の留学生に対しても滞在を制限する動きが見られ、今後4年間で何が起こるか予測がつきません。
そのため、アメリカの大学だけでなく、カナダ、イギリス、オランダ、フィンランドなど他国の大学にも視野を広げておくことが非常に重要です。
他の国の大学の受験基準を満たしているのに受験しないのはもったいない
はっきり言って、アメリカの大学受験は非常に大変だと思います。学校の成績ではトップレベルが求められ、アメリカ版の共通テスト(SAT)ではネイティブ並みの速読力が必要です。さらに、英語力を証明するテスト(IELTS、TOEFL、Duolingo)では、4技能すべてにおいて高いスコアが求められます。その上、個性のある課外活動、個人的な内容を深く掘り下げたエッセイ、3人の先生からの推薦状、場合によっては面接も必要です。このように、アメリカの大学は多方面にわたる能力を総合的に評価します。
一方で、他国の大学受験では、アメリカの出願要件の多くがそのまま活かせるため、比較的楽に受験できることが多いです。例えば、学校の成績と英語力の証明だけで出願できる大学が多く存在します。フィンランドのようにSATのスコアだけで合否が決まる国もあります。また、日本の早慶などでもAO入試があり、アメリカの大学出願に向けた準備と共通点が多いため、併願先として適しています。
そもそも他国の大学を受験しない理由の一つは、「選択肢として知らない」ということだと思います。そこで、「Study Portal」というウェブサイトを使えば、世界中の英語で学位が取れるプログラムを、さまざまな条件で絞り込んで調べることができるので、とてもおすすめです。
最後に
アメリカの大学のみを受験したいという気持ちは理解できます。また、志願者の多くは非常に優秀で、合格に値する実力を持っています。しかし、トップ大学の入学枠は極めて限られており、どれほど優秀であっても、運や競争の激しさによって不合格となるケースは少なくありません。
実際、reddit(海外のQ&Aサイト)では、アメリカの大学のみを受験し、結果的に数十校すべて不合格となり、他国の大学を受験できるか相談する留学生の投稿が頻繁に見受けられます。単に受験校の数を増やせばどこかに合格できるだろうと過信するのは危険です。
また、アメリカ以外にも優れた大学やプログラムは数多く存在するため、それらを受験しないのは非常にもったいないことです。カナダ、イギリス、オランダ、フィンランドなど、多くの国が留学生にとって魅力的な学習環境を提供しています。ぜひ幅広く情報を調べ、最適な進学先を検討してみてください。
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